SFセミナー2007・レポ(本会篇)

SFセミナー2007に行って来ましたので、ちょこっとレポートをば。

まずは、本会について書きます。


「奇想天外」の時代
雑誌の創刊時には生まれてもいませんし、現物をほとんど読んだことがなかったので思い入れはまったくナシでしたが、「SFマガジンのできないことをやろうとした」というところには、情熱を感じました。現在のSFマガジン一党独裁(野党のSF Japanにはもっと頑張って欲しい)を打ち破る次代の「奇想天外」が生まれないものか? とか考えさせられました。


アヴラム・デイヴィッドスンの思い出を語る
ラニア・デイヴィスさんの話は面白く、中村融さんも名司会だと思いました。同時通訳の方もG・Jであります。
ティーンエイジャーのデイヴィスさんがデイヴィッドスンの自宅を訪れたときの「当時の私は若くて可愛かったから入れてもらえたのよ」(そしてあっという間に結婚にいたる)など、まるで池上永一の本のような、面白エピソードがたくさん披露されてました。
デイヴィッドスンがイグアナ・ハンターになる話も爆笑でしたね。


高橋良輔インタビュー - リアルロボットの向こう側
すみません。このコマは寝てました。けっして面白くなかったわけではないですが、全部聞いていると夜合宿がたいへんなので、寝させてもらいました。


こうして《異形》は10年を迎えた
個人的に、豪華すぎるゲストのせいもありますが、いちばん面白い昼企画でした。
自らがアンソロジストでもある日下三蔵さんは鋭い質問で「異形コレクション」を解剖していき、その創作現場が目に見えるようでした。ある程度までは『異形コレクション讀本』で読んでいた話ながら、編者の井上雅彦さん、執筆者の牧野修さん、平山夢明さん、北原尚彦さんの生の声で聞けたのは、やっぱり嬉しい。「テーマの縛りは、あると地獄をみるけど、ないよりも楽しい」という話、「他の執筆者とかぶらないように、「こいつは誰も考え付かないだろう!」話を考える苦悩」など、編者と執筆者、また執筆者同士の競い合いの、楽しそうなことといったら! 井上さんの「一度だけ、二人の著者がまったく同じ話を書いてきたことがありましてね…」という話も面白かったです。

じつは異形コレクションは3冊くらいしか読んでいないので、もっとちゃんと読もうと思いました。創作の裏側を想像しながら読むのは、邪道かもしれませんが、より楽しく読む一つの方法だと思います。


あとはディーラーズで、京大SF研が新刊の〈WORK BOOK〉および〈中間子〉を販売していたので、買いました。内容についてはここでは触れませんが、〈WORK BOOK〉「日本SF新人賞レビュー特大号」は、日本SF新人賞受賞作を似たテーマの作品と対決させるという企画からして面白いです。
ふ、ふんっ、ウチは夏コミに向けて地下にもぐっているだけなんだからっ…たぶん。


(fuchi-koma)

追記
http://d.hatena.ne.jp/ToyoSF/20070502#p2
に合宿篇を書きました。