ついったー

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誰も作れとかいってないの勝手にツイッターのアカウントをつくりました。
SF研の見せたくない風景や見せたい風景をつぶやいていく予定。主に見せたくない風景になるでしょうが(そもそも人に見せたい風景が存在するサークルなど存在するのだろうか)。
アカウントのパスワードは共有しようと思ってますが、ここに書いてもしょうがないのでノートなりに書いておきます。今まで使ってたパスワードではないのであしからず。。

バトルランナー

スティーヴンキングの作品を読むのはIT以来久しぶりであるが、
今回のバトルランナーはどうやら、バックマン名義で出した作品らしい。
なんというか、ネームバリューとかあんまり関係ないんだなとか思ってしまいます。
死のロングウォークの亜種のような、人間狩りをゲームとして楽しむ設定から言ってもう秀逸過ぎるのですが、
なんと言っても、主人公のベンが病気の子供を救うためにそのゲームに参加してしまうまでの、
奥さんとのやりとりが好きです。なんというか、キングらしいエロキューションで。
さすがに陰惨なシチュエーションも多いので、読後感はよろしいものではなかったですが、
バトルロワイヤルを読んだ後のような、どうしようもなく救いのない感じが好きです。
とりあえず、多作品も読んでみることにします。では。

脳Rギュル

脳Rギュル ふかふかヘッドと少女ギゴク (ガガガ文庫)

脳Rギュル ふかふかヘッドと少女ギゴク (ガガガ文庫)

どうやら、夢野久作の「人間レコード」の跳訳作品らしいが、
少しスタイリッシュ(?)というか、お洒落さを醸しだし過ぎじゃないかと思う。
もちろん、懐中電話に「ケータイ」と、三文小説に「ラノベ」とルビをふるようなお遊びが嫌いなわけでもないし、
特徴的な擬音使いで飾られているのも嫌な気はしないし、
文体のアクの強さは、夢野久作に負けずとも劣らじと言ってもいいのだろう(言い過ぎだろうか?)が、
跳訳』つまりは、夢野久作の「人間レコード(多分、少女地獄の影響もある)」作品の一つの訳だと、
どうして言い張らなくてはいけないのだろうか? いや、跳訳って言葉が使いたかっただけなのか?
跳訳』をしたことがないのでどうにも判断しかねるが、これは果たして訳だろうか?
「訳じゃなくて、モチーフだ」と言った方がいいのではないか?
と、始めは小難しいことを考えてましたが、面白いです。跳躍とかどうでもいいです。エロいです。
終盤のギヤマとオトラの『幼女売春、これは捕まる!』という風なシーンや、序盤(?)の博打のシーンなど、
無駄に白熱するシーンが満載です。
ヒロインの下半身が熱くなると……とか、武器が男性器の形だ……とか、脳Rとか。
とにかく、エログロナンセンスで、ラノベとして読むと痛い目を見る人もいるかもしれませんね。
しかし、そのエロさや、グロさや、文体や作品アクの濃さがこの作品の魅力だと言ってもいいくらいですね。
あと、付け加えると設定が凄く大正浪漫的です。…………ああ! だめだだめだ!
ヒロイン可愛いで締めたら、いい加減ご先輩の方々に何か、『太いモノ』を口から突っ込まれて、『ズドン』とやられそうです。
まぁ、それでも、数少ないラノベなんですし、ヒロイン話で締めましょうか。
シイが大好きです。このどことなくボケボケした感じと生暖かいエロさが素敵です。
第二十三章401Pでさりげなく良い思いしてるギヤマが許せません。いや、なにが許せないんでしょうねホントに。
きっと、2巻も読むことでしょう。そして、この感想文には反省文が必要そうです。


虚航船団 (新潮文庫)

虚航船団 (新潮文庫)

さて、これを読みました。
実験小説と一言で終らせてしまうのも、「ああ、近年筒井氏が『俺これからラノベ書くから』と言い始めた原点がこれか、
そう、言ってしまうのもアレなので他の点に触れます。
なんと言ってもこの作品は視覚的要素が多いに活用されていて、それだけでも十分面白い。
特に、ココココココココココココココココココココココと針を飛ばすホチキスが自分の中でのザ・ベスト・オブ・ブングですね。
始めのコンパスから続いて、狂いっぱなしの文具たちですが、最後の戦争あたりになると、だんだん正気を取り戻してくるヤツがいるから不思議です。
「こんな472Pも書いて、結局文具の戦争かよ!」とバカバカしさもありましたが、
それにしてもそのバカバカしさをこうした読み応えのある作品に仕上げてしまうのはさすが筒井先生凄いと思いました。
一つ一つ狂ったヤツがでるたびに異様な爽快感があって、気づいたら最後のページをめくっているような素晴らしい作品でした。
ちなみに第二章ですが、これはやはり現代の人間(地球か?)のパロディーであってるんですかね?
第三章で、筒井らしき人がぐだぐだ語ってますが、どうなんだろう?
とにかく、虚航船団の逆襲も読んでみてから、判断をつけることにします。

PS:ちなみにキャラのかき分けがしっかり為されていて、今後の筒井ラノベにも少しだけ期待感を持ちましたよ。


(大)

閉鎖のシステム

閉鎖のシステム (富士見ミステリー文庫)

閉鎖のシステム (富士見ミステリー文庫)

暗闇の中で論悟、康一、香澄、教子は出会うが、迫る人影から逃げまわる様は、さながら乙一の小生日記のデパートの話を彷彿とさせ……、
というより、それぞれの理由があったにしろ、プラ―ザに閉じ込められてるんだから、小生日記とそこは同じか。
ストーリーはまあまあだが、なんと言ってもキャラクターのエロキューションがおもしろくて仕方がない。
特に、論悟は地の文だけでもおなかいっぱいになれるキャラでした。
戦闘シーンはこれまたいまいち、というよりこの薄さでキャラを出しすぎだと思います。
まぁ、60点ですね。作品として。
(大)

禅銃〈ゼン・ガン〉

パウトが禅ガンでとある娘の乳首を撃つシーンが頭の中にこびりついていて、
まっとうな感想が書けないかもしれないと不安になりつつ、「禅銃」の感想です。禅ガンの正しい使い方を学んでいくお話だと解釈したら間違っているのでしょうか?
まぁ、全体にいえることは動物が多すぎっていうのと、禅やら小姓やら『間違ったジャポニズム』満載の作品ですね。
歪んだ日本観が好きな自分としてはそこだけでおなかがいっぱいなのですが、
作中ででてくる後退理論というのがいまいち理解できなかったというか、いつものパターンというか、
自分の理解力のなさに相変わらず忸怩を感じずにはいられませんでした。
人口減少が問題化してるとか、人間ぽい動物で構成された宇宙軍とか、気違った美容整形とか全然触れないあたりが、自分らしいといえばらしいような。

流れよわが涙と、警官は言った

流れよわが涙、と警官は言った (ハヤカワ文庫SF)

流れよわが涙、と警官は言った (ハヤカワ文庫SF)

本のタイトルが特徴的ですね。内容は、有名なマルチタレントである主人公ジェイスン・タバァナーは、ある朝ホテルで目覚め身分証明書が無くなっていることに気付くそれに加えて人々は自分の存在を忘れているし身分がなくなった事で警官に追われることになるところから始まるのですが、つらいですねぇ身分証明書を所持していないと警察にしょっぴかれるなんて…。でも主人公女運は良いようで、(女難でもあるかな)偽造証明書を作る際に出会った病んじゃってる職人のキャシィや追っている警官バックマンの妹であるアリスにいたっては兄と近親相姦の関係にあるという昼メロドラマ並みの泥沼っぷりを発揮し主人公と一緒の時に勝手に死んでいる始末…。
 結末は、自分の予想の範疇で当時は斬新だったのでしょうが、今の世代が読むと以外性がありませんでした。
(竹)