ディーノ・ブッツァーティ『タタール人の砂漠』
- 作者: ディーノブッツァーティ,Dino Buzzati,脇功
- 出版社/メーカー: 松籟社
- 発売日: 1992/01
- メディア: 単行本
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明日には何か起こるはず。
あの砂漠からタタール人が攻めてくるはず。
国境沿いの砦を守る、兵士の幻想の物語。
『グレート・ギャッツビー』のギャッツビーは幻想を求めて走り続けたけど、『タタール人の砂漠』の主人公は幻想を求めて待ち続ける(逆方向を向いているけれど、この二人、そっくりな気がする)。
タタール人が攻めて来るなんて、絶対ありえないと分かっているのに、心のどこかに残った期待が、彼を砦に縛り付ける。
将来に向けて人生を設計中のおれたちには、とっても怖いお話だった。
ここで比喩されているものを凝視しちまったら、身動き出来なくなっちゃうぜ?
(久)