スティーヴ・エリクソン『黒い時計の旅』
- 作者: スティーヴエリクソン,Steve Erickson,柴田元幸
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2005/08/01
- メディア: 単行本
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かなりのエネルギーと密度を感じさせる作品だった。先の展開はあまり考えず、その都度その都度、各場面の描写に全力を注ぎこんで書いている感じ。ページ数的にはそこまで長い作品という訳ではないけど、読み終えて、長い長い作品を読んだなぁと感じるものがあった。
作品内で書かれているイメージや描写に、読み手としてあまりうまく呼応できない感じがあった。感性がにぶっているのかもしれない。何年後とかに読み返したら、また違った感覚で読める気がする。
好きなシーンがあって、ヒトラーのためにポルノ小説を書いている男が、ヒトラーの子供をつくるシーン。あそこはよかった。一番幻想的なシーンだった気がする。やっぱりリアリズムは好きじゃないのかなぁ。
(鈴)