横山光輝『マーズ』

ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日』を見てから一定の確立で発症する元ネタ探しの旅の過程でボックスの片隅にあったこの『マーズ』を手に取った。
最初は最後僅か数ページで起こるどんでん返しに驚いただけであったが、二度三度読み返す内に淡々と進む話の流れ自体に嵌るような感覚になる。
読み返す度に新しい発見があるとかは別段ないのだがどういうわけか何度読んでも面白い。
これを巨匠の力という表現で簡単に片付けてしまうのは何の捻りも無いが、その力を堪能するには充分な作品である。
全三巻で読む機会があれば是非読んでおくべきだ。
じわじわと横山光輝作品の魅力に引き込んでくれるだろう。

作中に登場する六神体のデザイン、特に話の重要な鍵であるガイアーのデザインは一度見たら決して忘れない印象的なものだ。
独特ではあるが何という事のない姿格好なのに不思議なものだと思う。