深堀骨『アマチャ・ズルチャ 柴刈天神前風土記』

アマチャ・ズルチャ 柴刈天神前風土記 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

アマチャ・ズルチャ 柴刈天神前風土記 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)


再読だ。以前は読んだ時は「う〜〜ん、たしかに変な小説であるなぁ。しかしこれはおもしろいのだろうか?いや、私はあまりおもしろいとは思わないぞ、たしかに変な小説であるが」などと思っていたのだが、再読してみたら、おもしろい、というか好きなタイプの小説だ、と思った。
まぁ全体的にストーリーはあって無いようなもの、退屈な部分も多い、しかし所々にナイスなフレーズや会話がキラリと光っていたりする。深堀骨には、10年ぐらいかけて、そうしたナイスなフレーズや会話のみで構成された、無意味だが異様に充実した、しかも笑える300pほどの長編を書いていただきたいものだ。
一番のお気に入りは「若松岩松教授のかくも驚くべき冒険」だ。

(鈴)