ローリー・リン・ドラモンド『あなたに不利な証拠として』




ごめん、楽しめなかった。SFに飽きたのでミステリーでも読むかぁと手に取ったはいいけれど、これは私が考え期待していたミステリーじゃなかったです。ジュンク堂プッシュしすぎ。

警官を志望する若きキャシーがマージョリーと出会ったとき、彼女の胸にはステーキナイフが深々と突き刺さっていた。何者かが彼女を刺し、レイプしたのだ。怯え、傷ついた彼女を慰めるキャシー。だが捜査を担当したロビロ刑事は、事件を彼女の自作自演と断じる。マージョリーに友情めいた気持ちを抱いていたキャシーだったが、どうすることも出来なかった。それから六年後、キャシーとマージョリー、そしてロビロの運命が再び交わるまでは…MWA賞最優秀短篇賞受賞の「傷痕」をはじめ、男性社会の警察機構で生きる女性たちを描く十篇を収録。アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀短篇賞受賞。


有能な女性警官たちの、警官としての始まりから終わりまで。その連作短編。
 たしかに「警官として、人間として誠実であるとはどういうことか」という問いかけには反応せずにはいられないものがあるが、私が期待していたのはもっとこう、ハードボイルドな事件と謎解きだったわけど、ちょっと感傷的に過ぎるこの本はあんまり楽しめなかったわけです。


(久)