[漫画」吉田戦車『火星ルンバ』

火星ルンバ (ちくま文庫)

火星ルンバ (ちくま文庫)

吉田戦車が考える火星人の生態や火星での生活についての漫画。
人間にとっては「くしゃみ」は生理現象だが、火星人はくしゃみができない。だから「くしゃみ学校」に行き、くしゃみを習得する。火星ではくしゃみができる火星人はエリートだとさせる、っていう話が結構おもしろかった。
一番おもしろかったのは、人間は普通、自分と相手の二人で恋愛をするが、火星人は3人とか5人とかの複数でするという話。5人の内の1人は、他の誰か1人が好きという訳ではなく、4人全員が好き、という感じになる。この4人の組み合わせは、誰か1人でも入れ変わるとダメらしい。ある特定の4人の組み合わせが出来た時、好きになるようだ。これはかなり複雑な感性だと思う。また1人増えて6人での恋愛は「変態」、「アブノーマル」になったりする。その火星人にしかわからない基準がおもしろい。また作品内では描かれていないけど、何人まで恋愛可能なのか、と考えてみるのもおもしろいかもしれない。例えば100人での恋愛は可能なのかとか。

(鈴)