谷川流『涼宮ハルヒの陰謀』

黄金週間から帰還。明日は明日の風が吹く

さて、今週の一冊。

涼宮ハルヒの陰謀 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの陰謀 (角川スニーカー文庫)

ハルヒシリーズ第7弾。長編のみカウントだと4番目。
ダブル朝比奈みくるウィークなお話。複数のエピソードが複雑に絡まった内容なのでキーワードだけあげると、時間パズルと敵対勢力と年間行事と伏線祭り、です。あと鶴屋さん
冒頭で、消失から続く伏線を回収。このエピソードだけを独立させた短編を作っても良かったかも知れないです。
さてメインは時間SFの皮を被ったミステリです。未来からの指令と実行、その意図の類推と、犯人と指差される人物こそいませんが、その構造は推理小説に近い気がします。
また、これまで語り部キョンが薄々気付いていながら、目を逸らして来た各勢力の暗部というか不審な部分がじわじわと見えてきたというのも私的に評価高いです。居心地の良い時間はそろそろ終わりを告げるかもしれません。
まぁ、なんだかんだ言いつつ、語り部キョンが悩み、頑張り、決断・選択していく様はキチンとジュブナイルしてて、割かし好きです。


蛇足
・シリーズ中もっとも分厚い巻。特盛。
語り部キョンには「鈍感力」という言葉を贈りたい。
・今週の水曜に読書会。(F)