なかざき冬『IN23H』

睡眠も、読んでる暇も無いです…困りました。

さて、今週の一冊。

IN23H (月刊マガジンコミックス)

IN23H (月刊マガジンコミックス)

珍しくコミックス。読みきりの1巻完結。
様々な意味で恐ろしく計算された作品です。
デッサンより見栄えを優先した画風。極限まで切り詰められたプロット。効果的なコマ割、栄える台詞、動き回るキャラクター、燃えるストーリー。
そういった単純明快なカッコ良さを最優先された作品。ある種ハリウッド的。
内容としては、1日が23時間しかない「機界」と呼ばれる電脳世界とヒロインの危機を、少年が救うという王道中の王道。
ギミックが多過ぎて説明し切れないので、簡略して言うと、RPGツ○ールと、メタルアクションと、西部劇を混ぜあげたよーな具合。勧善懲悪もあくまでストーリーの単純化の為であり、胡散臭さ0で清々しい。
また、熱血なノリが大量投入されており、一冊読んだだけでおなか一杯になること請け合いです。
どれだけ手垢のついたネタでも、ちゃんと計算し構築して描けば、いくらでも面白くなるといういい例かと。
この手の職人的とでも言うべき作家さんは、貴重です。ほんと。

蛇足
・よく古本屋に落ちてます。
・デッサンが狂い気味なので、その辺りが駄目な人には辛い?
・もっと時間を!(F)