吉行淳之助『暗闇の声』

 
言葉がない。
言葉も無い。
 
さて、今週の一冊。

暗闇の声 (ふしぎ文学館)

暗闇の声 (ふしぎ文学館)

長・短取り混ぜた、作品集。掲載数は30編。ジャンルは幻想怪奇。
物語をの構造は理屈で読めるけど、感情的にどろりとしたものが残る作品が多い。
中にはまるで出来の悪い冗談のようなオチもあり、閉口せざる得ないことも。
幻想怪奇と銘打つ割に文体はあまり仰々しくないので、日常からちょっと道を外れてしまった程度。
装飾過多な文章も好きですが、素っぴんみたいな語りもまた好み。
オススメは、「決闘」「あいびき」「奇術師」

蛇足
・入手難度:並。
・ふしぎ文学館という作者別作品集シリーズ。
・相変わらず、タイトル判断。
・他に小松左京山田正紀筒井康隆など。(F)