川端裕人『夏のロケット』

夏のロケット (文春文庫)

夏のロケット (文春文庫)


やさしく読みやすい文章のおかげで、飛ばしがちな科学公証もすんなり理解できる。ストーリーの核であるロケット打ち上げのための理論が、ミステリー部分にもつながっているというように、筋立ても文章も、本当に上手い作品だった。
ただ、すごーく個人的な意見なんだけど、自分たちの世代がこの作品に感動してはいけないような気がする。作者は抑えているのだろうけど、やっぱりこの作品のネックは郷愁だ。
そんなおっさんの感動にふらふらと釣られるのは、自分は潔しとしない!!


(久)