2006-09-14 島尾敏雄「摩天楼」 読書 夢の中で見る市街のイメージを緻密に書き綴った短編。 読み進めるうち、読者の頭の中には、陰影に富んでおり、かつモヤモヤっとしているその夢の市街のイメージが、立体的な感触を伴って立ち上っていく。 夢の中の市街の描写は非常に魅力的だ。特にどこまで続いているかわからないほど高い塔を上るシーンは、たまらない。 この短編は澁澤龍彦編の日本幻想文学アンソロジー『暗黒のメルヘン』に収録されている。 暗黒のメルヘン (河出文庫)作者: 澁澤龍彦出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 1998/07メディア: 文庫 クリック: 4回この商品を含むブログ (13件) を見る (鈴)