ユベール・マンガレリ『おわりの雪』

おわりの雪

おわりの雪


ストーリー展開を追うのではなく、各場面を味わいながら読む感じの本。
主人公の少年がトンビを飼う、というのが話の軸で、そこに動物の死とか、主人公の家族の厳しい現状などが盛り込まれている。
全体的なトーンは暗め。でも嫌な感じはしない。それはほのかに温かみがあるからかな。
また冬の季節などの、各場面の雰囲気、空気感と、それにシンクロする主人公の心情が良く伝わってくる。
良い小説だった。

(鈴)