じつは、わたくしこういうものです

どうも、三度Fです。そろそろ名乗らなくてもいいかも知れません。

どうでもいい話ですが、私は嘘が下手です。でもホラは比較的得意です。
ふたつの差は、罪悪感の差だと思うんですが、どうなんでしょうね?

さて、今週の、一冊。

じつは、わたくしこういうものです

じつは、わたくしこういうものです

ジャンルの良くわからない一冊です。
内容は架空の職業をいかにもな論調で説明するというアヤシイものです。
その職業も捻りが効いていて、
月光密売人、沈黙先生、ひらめきランプ交換人、二代目・アイロン・マスター、シチュー当番、他。
と、総勢19職種。何処からその発想が出てくるんだという斜め上っぷり。
本文はその職業の人のインタビュー記事の体裁をとっていて、いかにもな大真面目な受け答え。
更に、その人や仕事道具、仕事風景のいかにもな写真まで載せており、その中のいかにもな小道具まで自作する徹底振り。わざとセピア調にした写真がまたいい味を出しています。

ともかく、いかにも、いかにも、いかにもな作りの本でして、ホラもここまで徹底すれば芸術の域です。
読み終わった後、更に想像を膨らませるのが楽しい一冊です。いかにも、お勧めです。

蛇足
・この本の探索は大変かも知れません。ジャンルがよく分からない所為で本棚の位置がいまいち定まりません。
美術書棚に突っ込んであったと思えば、ファンタジー書籍に紛れてたりします。
・この間は、「13歳のハローワーク」の隣で見かけましたね。……いいのかそれ。
・著者のクラフト・エヴィング商會は創作集団でして他にも奇妙な作品が多いです。
・「クラウド・コレクター―雲をつかむような話」「どこかにいってしまったものたち」「ないもの、あります」などなど。(F)