書誌学者森銑三の『書物』
- 作者: 森銑三,柴田宵曲
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2001/01/16
- メディア: 単行本
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近世史研究家の森銑三と柴田宵曲の二人が「書物」を語る、本のための本といったエッセイ集。ワイド版で目にやさしいです。
収録されているサブタイトルには「書評」「雑誌」「装丁」「図書館」「良書とはなんぞや」というような、本好きの人なら一度は考えた事があるだろうテーマばかり。それを書物の碩学がやさしく語ってくれるという、この贅沢。
森銑三の著書には他にもおもしろいものが多くあります。森銑三の手による怪奇小説をあつめた『新編 物いう小箱 (講談社文芸文庫)』や、江戸期、社会になじめなかった個性的な人々の烈伝である『近世畸人伝 (岩波文庫)』、同じく明治期の『新編 明治人物夜話 (岩波文庫)』。
こういう列伝を読んでいると、他の人物伝も読みたくなりますね。すくなくとも私はそうでした。それで手を広げて紀田順一郎『にっぽん快人物烈伝 (旺文社文庫)』、畸人研究学会『定本 畸人研究Z (ちくま文庫)』、さらには山田風太郎の人間臨終図巻などなど。
まだまだ読みたい本がたくさんあります。ほんとにこのジャンルは際限がない。それだけ世の中には畸人がいるのです。
この先きっと、又吉イエスさんあたりも収録されるでしょう。ぜひ読みたいです。
(久)