清水義範「バールのようなもの」

結局のところ役に立てば、名前はどうでもいいわけで。


さて、今週の一冊。

バールのようなもの

バールのようなもの

短編集。
なんというか、タイトルの時点で出オチで、お腹一杯になれます。
表題作は、名前が一人歩きする奇妙な道具、“バールのようなもの”の謎を大袈裟に考えるお話。
他、「○○についてどう思いますか」「善男善女の夜」「新聞小説」など12編が収録。
作者の独り言を原稿に流し込んだような作品が多く、
「コレってこう考えるとアレだよね。いや、だからどうしたわけじゃないけどさぁ」
という投げ遣り感が、いい具合に全体に漂っていてます。
難しく考えればいくらでも難しく、簡単に考えればいくらでも簡単に見える、そんな本かと。

蛇足。
・探せばあるし、探さなければない。そんな入手率。
・タイトルだけで読むことを決定。妙に癒されます。
・土曜の読書会、お疲れ様でした。(F)