清水義範『虚構私立不条理中学校』

出会いというのは偶然に寄るところが多いです。
本も同じで、適当に検索したら、適当に引っ掛って、適当に読むとゆーことはザラです。
しかし、なんで「不条理」なんて鍵語で検索してたんだっけ…。

さて、今週の一冊。

虚構市立不条理中学校 (講談社文庫)

虚構市立不条理中学校 (講談社文庫)

現代教育――と、言っても初版出版年が1990年ですから随分、昔のこととなります。
ともかく、その現代教育、特に学校と言う場をを皮肉り批判しつつ進むユーモア小説です。
内容は、
中学生の息子を持つ小説家が、学校に監禁された家族を救うべく、教師陣相手に議論を吹っかけるとゆー代物。
(著者のあとがき曰く「ギロン・アクション」とか)
極論、暴論のオンパレードである種のギャグの域です。登場人物もどれもこれも極端を具現化した連中で、
「そんな奴いねぇ!」とツッコミつつ読むか、「覚えがないでもないなぁ」と省みつつ読むかは、人次第かと。

この手の本を読んでて思うのは、極論もまた必要だなと言うことです。
勿論、どんな論でも吟味せずにそのまま呑み込むのは危険ですが、極論のような思わず反論したくなる論というのは、
その吟味を促す効果があるわけで、それもまた価値の一側面だなと、思わないわけではないわけです(長い)。

まぁ、なんのかの御託を並べましたが難しいことを考えず、笑いながら読むのもまた、ひとつの読み方でしょう。

蛇足
・入手は…どうなんでしょう?私は図書館から借りただけなんで。
・紹介したのは新装版ですが、実際に読んだのは古い方。ハードカバーの二冊。
・こちらは下巻が「続・虚構私立不条理中学校」となっています。
・他著に「わが子に教える作文教室 (講談社現代新書)」「やっとかめ探偵団 (光文社文庫)」「国語入試問題必勝法」(F)