コードウェイナー・スミス『鼠と竜のゲーム』


むずかしい……。感想を書くのが難しい作品だ。
短編集『鼠と竜のゲーム』のファンの人は、作品内では言及されていない歴史や小道具をふくめた世界観の広大さを楽しんでいるのだと思う。その点、私は「すげぇすげぇ」と驚きはしつつも、楽しむよりは混乱のほう大きかった。たまに見るシムーンのように。そういう意味で難しいな、と。
で。むしろ、単純にストーリーを楽しんだ。「スキャナーに生きがいはない」のさわやかに終わったと見せかけて実は保管機構の強大さを臭わせるラストとか、「黄金の船が――おお! おお! おお!」の大変な任務を遂行したのに記憶を消されてしまうオチとか。
結局、読みこみが足りてない。コードウェイナー・スミスの持ち味を楽しめていないってことだわな。反省。
近々『ノーストリリア』も読むので、それまでご容赦のほどを。


(久)