ASOV35ワイバロ特集



ASOV vol.35 ワイドスクリーンバロック特集
作者: 東洋大学SF研究会
出版社/メーカー:白山と西巣鴨を転々と
発売日: 2006/8
メディア: 同人誌


はじめに

 今回のASOVはワイドスクリーン・バロック特集でいこう! そう決まってすぐにブライアン・オールディスのSF解説書『十億年の宴』を紐解いた。そもそもワイドスクリーンバロックってなんだろう。その答えがここに書かれているはずだから。
ワイドスクリーンバロックでは、空間的な設定には少なくとも全太陽系くらいは使われる。そしてアクセサリーとして、時間旅行が使われるのが望ましい――それに、自我の喪失などといった謎に満ちた複雑なプロット(中略)偉大な希望は恐るべき破滅と結び合わされる」
「絢爛豪華な風景と、劇的場面と、可能性からの飛躍に満ちた、自由奔放な宇宙冒険物」
そして、オールディスが最初期のワイドスクリーン・バロックと呼ぶハーネスの『パラドックスメン』をもって、「十億年の宴のクライマックス」とまで書いているのだ。おお、なんかすごいぞ、ワイドスクリーン・バロック。つまり、SFのなかのSFってことじゃあないか。
 だけど、結局ワイドスクリーンバロックって何なのだろう。分かったような分からないような……。
 そこで我々はワイドスクリーン・バロックの徹底的な解剖を試みたのだ。ワイドスクリーン・バロックと呼ばれる多くの作品群を読み散らかし、さらには「呼ばれてないけどこれもワイバロっぽくね?」な作品も読みまくり、オールディスの抽象的な定義を「ワイド」と「バロック」という視点から統計的にグラフにした。

 そして、その先に見えたものは――。

序文よりの引用。


納得のいくものが出来上がったと自負しています。
価格は『ハヤカワSF文庫年鑑2005』『ASOV vol.34クトゥルーまみれ!』とともに三冊全て300円です。
東地区“ぺ”ブロック‐41b。ぜひ見ていってください。


(久)