勢古浩爾『思想なんかいらない生活』

間違って自分の中でうまく消化出来ない本を読むと大変です。
なかったことor保留にするのも致し方なし。

今週の一冊

思想なんかいらない生活 (ちくま新書)

思想なんかいらない生活 (ちくま新書)

ジャンルは…なんだろう?
内容は「思想」や「哲学」を生甲斐にしている人々を批判しまくるというもの。
知識人批判にはじまり、「高尚な考え方」批判、更には読書する人の見栄批判までくる。
全体として、インテリがのぼせあがるな! ふつうでいいじゃん! と言ってるような本です。
その割りに、予防線を張りながらせこく書いている節があるのは少々微妙。
言いたい事は分らんでもないし、いくつか自分にも思い当たる節があるので読んでてキツい。
だが、この手の論は袋小路に入ってしまって大変なんじゃないだろうか。
つまり、

あるどうでもいい事柄についてわざわざ問題提起すること自体が、インテリ病というべき問題であって、そんなことを仮定し、逐一指摘することはやはり、思想膿漏とでも茶化されるものであって、そこから更に、批判に批判を重ねるような事をすれば、自我の無限後退になって手がつけられなくなって、哲学の自家中毒を(以下エンドレス)

と、気にしたら負けの類になってしまうから。だったら最初から言うな、とも。
というわけで、我こそはと思う方は読んでみては如何でしょうか。私はもうダメ。

蛇足
・それなりの図書館に行けば読めるでしょう。買う必要は…ないかと。
・なんとな〜くで読んだ為、私自身に思想的に主張することは特にありません。
・批判するために批判する本を読むという図を想像すると…。
・他著に「中島みゆき・あらかじめ喪われた愛」「自分をつくるための読書術 (ちくま新書)」「結論で読む人生論―トルストイから江原啓之まで
(F)