エル―全日本じゃんけんトーナメント

 
はい、Fです。
 
最近、レポートやら原稿やら、締め切と縁の多い日々です。
それと同じぐらい重要なのはいつからソレに取り掛かるか、という封切り(?)日ですね。
締め切り日ばかりに囚われていると、軽く足を掬われます(体験談)
 
さて、今週の一冊。
 

 
この作者の中で唯一好きな作品。
さっさと負けたいのに、負けようとすればするほど勝ってしまう少年のお話です。
作中、ひたすらじゃんけんをし続け、そこに発生する策略、陰謀、恋愛、情熱、悲劇、狂乱が描かれ、ドラマが展開されるという代物。たかがジャンケン、されどジャンケン。
また、この作品には作者お得意の「仕掛け」が施されています。具体的には、奇数章と偶数章に分かれており、どちらかだけを読むか、あるいは、通して読むかで物語の雰囲気ががらりと変わります。
作者の持ち味が良い意味で上手く発揮された作品です。
 
蛇足
・この作品続編「ユウ―日本国民全員参加テレビ新企画 (幻冬舎ノベルス―幻冬舎推理叢書)」があるのですが、正直関連性は薄く、微妙。
・この作者には色々煮え湯を飲まされていますが、特に酷いのを紹介
・「みすてりあるキャラねっと (角川スニーカー文庫)」。読者参加型小説。「ザ・スニーカー」で連載していた。
・要所要所で、次の展開や登場人物、果ては犯人までも読者に選んで貰うという手法。
・無茶な選択肢を纏める構成力はすごいが、作品として出来は微妙。
・単行本一巻が売れなかったのか、残り分を纏めて新書「キャラねっと―愛$探偵の事件簿」化し、Fの財布に大打撃を与えた。