マキャヴェリ『君主論』

君主論 (岩波文庫)

君主論 (岩波文庫)

目的のためには手段は問わない、とか書いてある本。読もうと思って積んでいたけど課題で読めと言われたんだから読まない理由は無い。この岩波版の表紙にいるマキャベリっぽい人はどうみても異星人としか思えないね。
政治学としてなら古典中の古典で、後世のインテリな王様や政治家達が国を問わずに読んでいたと言う事は時代時代の政治思想にも関わるわけで興味深い一冊だと思う。18世紀のプロイセンのフリードリヒ大王は徹底したマキャベリストの視点から反マキャベリ論を書いたし、戦争の在り方を一変させた戦争論を書いた19世紀のクラウゼヴィッツマキャベリ君主論や戦術論を読み込んでた。思いつくところを書いてみたら欧州というかドイツというかプロイセンばかりだ。イタリア統一のための最強君主を求めて書かれた筈なのに肝心のイタリアに関する事が思いだせない。やっぱりイタリアは戦争向いてないようだ。
あまり調子に乗って書きすぎると課題に書く事がなくなるのに気付いたからこの辺で止めておこう。あと書き忘れてたけど訳文が面白い。独特の岩波訳というか語学の授業で自分で訳したような文というかとにかく面白い。多分もっと読みやすい翻訳は他にもある筈だ。