ミステリーの楽しみの片鱗をつかんだよ

kubokiです。野沢尚破線のマリス (講談社文庫)』読みました。

主人公であるテレビ編集マンの驕り、女性性に対して最初いらいらしたけど、読み進めるうちにミステリーの楽しみの片鱗をつかんだ気がします。イラっとしてゾォー、これ作者の術中通りの読み方なんだろうなぁ。すげぇよ。

入り組んだ加害者と被害者の関係。テレビの悪意(最善を尽くしたうえでの副産物なのだけど。あくまでも編集側の「最善」ね)。二転三転する価値観と正義。「正しい」なんて存在するの?



主人公を盗撮する男を逆に盗撮し返すシーンなんて
「見ることの愛、見られることの憎悪」
だよなぁ。





破線のマリス (講談社文庫)

破線のマリス (講談社文庫)