ミステリーの楽しみの片鱗をつかんだよ
kubokiです。野沢尚『破線のマリス (講談社文庫)』読みました。
主人公であるテレビ編集マンの驕り、女性性に対して最初いらいらしたけど、読み進めるうちにミステリーの楽しみの片鱗をつかんだ気がします。イラっとしてゾォー、これ作者の術中通りの読み方なんだろうなぁ。すげぇよ。
入り組んだ加害者と被害者の関係。テレビの悪意(最善を尽くしたうえでの副産物なのだけど。あくまでも編集側の「最善」ね)。二転三転する価値観と正義。「正しい」なんて存在するの?
主人公を盗撮する男を逆に盗撮し返すシーンなんて
「見ることの愛、見られることの憎悪」
だよなぁ。
- 作者: 野沢尚
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2000/07/15
- メディア: 文庫
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