10番目の惑星「セドナ」とポール・アンダースン『地球帝国秘密諜報員』

昨年発見された、太陽系10番目の惑星の詳細がだんだんと解明されはじめました。
地球から100億キロ彼方、その星は浮かんでいます。ハップル望遠鏡によれば直径は約2300キロ、氷と岩で構成されたゴツゴツガチガチの惑星で、暫定的に「セドナ」と名づけられたそうです。「セドナ」とは、イヌイットの神話に登場する海の神だとか。
宇宙にとって壁際のホコリのかたまりにも満たない太陽系内ですら、このようにまだまだ分からないことだらけなんですよ。こりゃあもう確実に存在しますね。
宇宙人。
そう考えたほうが論理的ですよ。






地球帝国秘密諜報員―ドミニック・フランドリー (ハヤカワ文庫SF)

地球帝国秘密諜報員―ドミニック・フランドリー (ハヤカワ文庫SF)


本書は地球人と異星人が交流をもつようになった未来、地球帝国の諜報員の活躍を描いた傑作です。
タフガイで皮肉屋な歴戦の諜報員フランドリーと敵対帝国のライバルたちとの間で繰り広げられる虚虚実実の心理戦/肉弾戦が本書の白眉。読ませます。かっこいいんだなぁ。
フランドリーの魅力もさることながら、敵帝国の諜報員、鳥型ヒューマノイドのアイキャレイクや狼人間スヴァンドジックら敵諜報員の漢っぷりに地球人の身ながらわたくしもうメロメロ。
木星に住む水素呼吸生物なんてのまで登場したり、スケール超でっかくて現実を忘れるにはもってこいの本でした。

本書が好評をはくせば<ドミニック・フランドリー シリーズ>として続刊されるかもしれないと、訳者の浅倉氏は書いています。すごくおもしろい本なので、続刊されることを願っています。