クリス・ボイス『キャッチワールド』

キャッチワールド (ハヤカワ文庫 SF 431)

キャッチワールド (ハヤカワ文庫 SF 431)


物語の前半部はほとんど宇宙艦隊の中で進行するため、スケールの大きさも感じられず、これはワイバロ?と思いながら読んでいたが、物語の進行に従い、さまざまな作品要素が錯綜し出し、物語はギラギラとしたテンションの高さを保持したまま加速していく。
話の適度な複雑さ、難解さと、オカルト要素などの妙な安っぽさが融合し、魅力的な作品になっている。
物語の主要人物、田村は迷いのない完全無欠の強い意志力を持ったキャラクターで、ワイバロっぽい。

(鈴)